トップに戻る
新企画:ブックリストリストを見る

金城一紀 『GO』

金城一紀 『GO』 講談社文庫



いまさらですが『GO』です。本作は2000年上半期の第123回直木三十五賞を受賞し、窪塚洋介主演で映画化もされていましたので、多くの方はすでにご存知でしょう。

内容は村上龍の『69』を思わせる、ちょっと外れた高校生のさわやかな青春物語。但し、主人公は在日コリアンというところが目新しい。


朝鮮国籍を持ち民族学校で教育を受けてきた主人公が、「広い世界を見る」ために日本の高校へ進学します。そして主人公はあるパーティーで、かわいくて高校生にしてはやたら趣味のいい女の子と出会い、当然恋に落ちるわけです。

そこに人種とは何か、差別とは何かって主題が絡んでくるわけですが、決して単純な善悪二元論でまとめるのではなく、朝鮮人も韓国人も日本人も個々人はみな一本気な人物に描かれていて好感が持てます。

そして、波乱万丈はありつつも、結末はハッピーエンドで後口が良い。好き嫌いはともかく、万人に対して不快感を与えずに根深い問題をさらっと提起することのできる、価値の有る作品でした。


ただ、いいとこのお嬢さんでホレス・パーランを聞くような女の子が、「お父さんは、韓国や中国の人は血が汚いんだ、って言ってた」なんてことを言っちゃうかしら?人種差別をするような人間は財産も社会的地位もなく、出自でしか他人との差別化を図れない、それこそ下流社会の人々だけだと認識してるんですが、私の考えが甘いのでしょうか?

人気blogランキングへにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

2008年11月24日  分類中 トラックバック:0 コメント:0












管理者にだけ公開する